雑談はコーヒーと共に

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『フォーカス・オン・フォームとCLILの英語授業』感想

タイトルにある通り、この本を読み終えたので軽く感想を書いておきます。

私は大学で第二言語習得(SLA)という分野を学びました。日本ではまだ発展段階なのか、英語教育の現場で出会う先生方の多くは英語学や英文学を学んだ方が多い気がします。この本は主に第二言語習得の知見をもとにどのような授業を作るべきかを話してくれています。まずはCLILという授業論の説明。そしてそれをどう中学と高校の授業に取り入れるべきか提案してくれます。古き良き座学としての英語教育からどう抜け出すのか、その一つの案を具体的に示してくれています。よくSLAのことは勉強したけどどう自分の授業に活かせば良いのかわからない、という先生は多いと思います。私自身SLAを学んでいたのに今でも悩んでいます。

大体の感想ですが、とにかく活動と説明、アクティブと非アクティブ(非アクティブと言ってもそれは身体的な話で脳はしっかりと回転している)な授業を回転させる授業形態を作っていく、という印象でした。言語は学んでから使うのではなく使いながら学ぶということです。英文を読んで、今度はペアでリテリングして、でまた読んで自分の間違いを修正していく、というようなインプットとアウトプットの繰り返し。本に書いてあることはかなり省略してますので私の説明ほど浅くはなく、理論や計算で念密に練られた授業形態が提案されています。中学と高校の授業がそれぞれ説明されたCLILの理論に基づいて提案されています。具体的で想像しやすい。

説明的で抽象的な文が多いので正直読むのに集中力が必要でしたが、これは読む価値のある本だと感じました。実際、新年度の授業はここから学んだことを多く授業に取り入れていこうと考えています。大きく授業形式を変えてみます。それが上手くいくかは分かりませんが、理論に基づいた授業をより展開していきたいですね。